LIBRARY

ここでは私が参照している資料をリストします。 全部が全部に眼を通しているわけでは決してありません(笑)

また、現在では絶版となっているものもあるようです。 あくまで「参考」程度に。

辞書

ギリシア語辞書

読解辞書

解説書

ここでは、a)辞書ではなくb)ギリシア・ローマ時代に書かれたものの翻訳ではないものを 解説書というカテゴリーでくくることにします。

翻訳

アテーナイオス

「食卓の賢人たち」の作者としてのみ知られる。 集まった人間が、そのときどきに出てきた料理や話の流れに応じて料理の材料、調理法、宴会の作法、自然科学的な興味、哲学的な興味など多岐にわたる雑談を繰り返す。 アピーキウスがレシピ集であるのに対して、アテーナイオスは料理の材料などをとりあげてはいるものの、参加者同士の議論が中心になっている。 当時の食生活を知る上で非常に興味深い内容。

また、参加者たちは多くの引用を行っており、失われた中喜劇などの断片の宝庫としても興味深い。

アピーキウス

アピーキウスはローマ時代の有名な食通といわれ、ギリシア/ローマ世界で現存しているレシピ集としては最古のものと言われています。 この本に収録されているレシピの中には明らかにギリシア時代から受け継がれたと思われるレシピもあり、当時の食事の内容を知る上で貴重な資料となっている。 しかし、あきらかにアキーピウスが生きた時代よりも後世のトピックを盛りこんだレシピもあり、ここでのアピーキウスは叙事詩におけるホメーロスのように食道楽の代表として受けとめられていたのかもしれません。

ギリシア悲劇

悲劇全集

アイスキューロス

ソーポクレース

エウリーピデース

セネカ

ギリシア喜劇

喜劇全集

アリストパネース

叙事詩

ホメーロス

言わずと知れた古代ギリシア叙事詩の嚆矢。 現代では「イーリアス」と「オデュッセイアー」の作者として想定される人間像というのが正しいホメーロス像なのかもしれない。 古代においては、ホメーロス=叙事詩人という公式が成り立っていたらしく、明らかに他の作者によると思われる作品もホメーロスの名を冠して伝えられていたりする。 その様な例としてはホメーロス(風)讃歌として知られる讃歌群が比較的有名。

イーリアス
オデュッセイアー

ヘーシオドス

神統記

個人的に青臭い思い出の強い本(笑) 高校生のときに「神統記」を読みたくてしかたがなかった私はイロイロと翻訳を探していました。 高校には筑摩書房の文学全集があり、その中に収録はされていたのですが、当時すでに絶版でした。 仕方なく『学校で英語を習っているんだから英訳でも』と思い始めた頃、Loeb版の英訳が見つかってしまい3,4時間本屋で悩んだあげく購入。 その半年後くらい後、まだ英文がよく判らなくて唸っているときにこの訳本が出てしまって人生をチョットだけスネてしまいました(笑)

そんな理由からか、私個人としてはホメーロスよりもヘーシオドスの方がシックリくることが多いという、ど~でもいい結果となってしまいました。

仕事と日

ホメーロス(風)讃歌

ホメーロスとは古代においては叙事詩人の代表といった趣であったようです。 作者不詳の叙事詩といえばホメーロスというのが半ば常識として受け入れられていたようにも見うけられます。 ホメーロス(風)讃歌としたのは、古代にはホメーロスの作とされながらも、その語法などから「イーリアス」や「オデュッセイアー」とは作者が明確に異なるであろうとされているからです。

比較的長い讃歌4篇を含む33の讃歌から構成され、その成立年代もまちまちのようです。 しかし、ホメーロスの後裔を名乗る「ホメーリダイ」と呼ばれる人々がいたことは確からしく、恐らくはそういった人たちによって語られてきたものなのかもしれません。

クイントゥス

スミュルナのクイントゥス(QUINTUS SMYRNAEUS)とも呼ばれる叙事詩人。 紀元3世紀ないし4世紀ころの人。 ヘクトール没後のトロイア戦争のなりゆきを歌った作品があり、「ホメーロス以降」とか「ホメーロスの続き」と呼ばれる作品がある。

抒情詩

小説

アプレイウス, 黄金のロバ

ローマ時代の作品。 有名な「エロースとプシュケー」の話は、この作品の半分以上を占める『アモールとプシューケー』の挿話が初出。 物語の冒頭で主人公がロバに変身してしまい、最後に地母神の秘儀をうけて元の人間に戻ることから「変身物語」と呼ばれることもあるが、このタイトルはオウィディウスの作品の方が有名。

地誌

ストラボン, 地誌

パウサニアース,「ギリシア案内記」

パウサニアースは紀元2世紀頃の人で、ギリシア神話のイメージをそのまま受け入れるには 常識人すぎたようです。 いわゆる「神話の合理的解釈」を多く試みているのですが、そのいくつかは現代人の我々の目から見た場合、必ずしも合理的な解釈とは思えないのがほほえましい(笑) もちろん、神話のイメージそのままよりは遥かに合理的ではあるのですが、そのような行動や現象をあんまり考えたくないな、という意味で。

パウサニアースは神像などに添えられた文章を丁寧に読み、(所々読み違えている可能性を否定できないとはいえ)非常にマイナーな伝承を伝えているのが興味深い。

岩波文庫のは抄訳版。 訳注は非常によくできている。 固有名詞にはギリシア語を音訳したルビが振ってあるので、ギリシア語の辞書を片手に意味を調べてみるのも面白い。

龍渓書舎のは全訳。 岩波文庫版には収録されていない個所が日本語で読めるのはとってもシヤワセ。

ディオドーロス・シクルス

  • 飯尾 都人 訳, 「ディオドロス神代地誌」, 龍渓書舎

    ディオドーロスの神話に関係した部分だけを訳出した抄訳。 ストラボーンの脚注作成を訳者の方が病気のため断念しなければならなかったこと、それを埋めるために訳者に残された労力で本書をまとめ上げられた経緯が書かれています。 ストラボーンの脚注が出版されなかったのは非常に残念ですが、訳者のご冥福を祈ると共に、本書が出版されたことを素直に喜びたいと思います。

    それだけでは分量が少なすぎると判断されたのか、ポンポニウス・メラの「世界地理」とプルータルコスの「エジプト神イシスとオシリスの伝説について」がついています。 「エジプト神イシスとオシリスの伝説について」は倫理論集の一つとして岩波文庫(青 664-5)からも別の翻訳がありますが、メラは本邦初訳。

    哲学書

    恐らく「神話」の理解としてはあまり参考にはならないと思います。 それでもプラトーンなどは自分の哲学的アイディアを表現するために自ら架空の話を作ることが多く、アテーナイオスの中の列席者のようにプラトーンによる対話篇の対話そのものがフィクションであるという批判もあります。 古代ギリシアの人々は、現代の我々よりもかなり神話に対して宗教的に密接した生活を送っていたようであり、その考え方などにも影響を与えたかもしれない、程度の興味で読むようにしています。

    プラトーン

    アリストテレース

    テオプラストス

    クセノポーン

    博物学

    アリストテレース

    アルキメデス

    エウクレイデス(ユークリッド)

    テオプラストス

    ガレーノス

    ウィトルーウィウス

    プリーニウス

    ローマ時代の博物学者。 ベスビオス火山の噴火を観察中に噴火に巻き込まれ死亡。 当時の知見を集約した「博物誌」が有名。


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