デーイオーネー, デーオーイス
Δηϊώνη, Δηωΐς
Deione, Deois

名称のゆらぎ

カナ表記 ギリシア語 アルファベット 出典
表記表記
デーイオーネー Δηϊώνη Deione ピンダロス ネメア祝旋歌1. 3行目への古注
(カリマコス断片 48)
デーオーイス Deois(羅) オウィディウス,「変身物語」, 6.114

概要

ペルセポネーの異称。 (ピンダロスへの古注, ネメア祝旋歌1番3行目に対して ; オウィディウス, 「変身物語」, 6.114 )

単に呼称を置き換える形で使われており、特定のエピソードに関連するものではない。

引用

ピンダロス ネメア祝旋歌1. 3.行目への古注

.... ἔχει δ᾽ ἂν οὐ φαύλως, δέμνιον Ἀρτέμιδος λέγεσθαι τὴν Ὀρτυγίαν, οἶον ἐνδιαίτημα καὶ διατριβήν· ἱερὰν γὰρ τὴν πᾶσαν νῆσον τῆς Φερσεφόνης φασίν. ὅτι δ᾽ ἡ αὑτή εστι τῇ Ἀρτέμιδι, Καλλίμαχος ἐν Ἑκάλῃ

Οἵ νυ καὶ Ἀπόλλωνα παναρκέος ἠελίοιο
Χῶρι διατμήγουσι, καὶ εὔποδα Δηϊώνην
Ἀρτέμιδος.

(前略) 一方でそれが僅かしか持たないのであれば、オルテュギアーと言われるアルテミスの寝所は、単に住居であるとか行きつけの場所ということになる。 というのも、ペルセポネーからすべての島を蛇によってそうみなす人がいる。 それゆえ、それは同じアルテミスである。カリマコスも「ヘカレー」の中で(次のように言っている。)

彼らは今や ものみなすべて均しく照らす太陽からアポローン
区別し、足首麗しいデーイオーネーを
アルテミスから(区別する)。

オウィディウス,「変身物語」, 6.114

fecit et Asterien aquila luctante teneri,
fecit olorinis Ledam recubare sub alis;
addidit, ut satyri celatus imagine pulcharam
Iuppiter inplerit gemino Nycteida fetu,
Amphitryon fuerit, cum te, Tirynthia cepit,
aureus ut Danaen, Asopida luserit ignis,
Mnemosynen pastor, varius Deoida serpens.
(L=108-114)

つぎにアステリエ。 彼女は身をくねらせたわしにつかまえられている。 それから、レダ。 これは白鳥の翼のしたに臥している。

アラクネは織り進む。 ユピテルが、こんどは獣神サテュロスに身をやつして、美しいアンティオペに双生児を身ごもらせたこと、アンピトリオンになりすまして、その妻アルクメネを欺いたこと、黄金の雨となってダナエを、火炎となってアイギナを、羊飼いとなってムネモシュネを、まだらの蛇となってプロセルピナをだましたこと—そんな場面が加えられてゆく。
(中村善也 訳)

ANOTHER "DEIONE"
デーイオーネー (ペルセポネーの異名)
デーイオーネー (ミーレートスの母)

改訂履歴