練習 4.1
課題文
καλὸν εἰρήνη.
語彙
文中の語 | 見出語形 | 品詞 | 変化形 | 主な意味 |
καλὸν | καλός | 形容詞 | 中性/単数/主格 | 美しい(脚注参照) |
εἰρήνη | εἰρήνη | 女性名詞 | 単数/主格 | 平和 |
脚注
καλόνは述語。 「うるわしいもの」の意。
出典と翻訳
不明。
ただし、デーモステネース, 第19弁論, 336節に
‘μὴ λέγ᾽ ὡς καλὸν εἰρήνη, μηδ᾽ ὡς συμφέρον: οὐδεὶς γὰρ αἰτιᾶταί σε τοῦ ποιήσασθαι τὴν πόλιν εἰρήνην: ἀλλ᾽ ὡς οὐκ αἰσχρὰ καὶ ἐπονείδιστος, καὶ πόλλ᾽ ὕστερον ἐξηπατήμεθα, καὶ πάντ᾽ ἀπώλετο, ταῦτα λέγε. τούτων γὰρ ἁπάντων ἡμῖν αἴτιος σὺ δέδειξαι. καὶ τί δὴ μέχρι νυνὶ τὸν τὰ τοιαῦτα πεποιηκότ᾽ ἐπαινεῖς;’ ἂν οὕτω φυλάττητ᾽ αὐτόν, οὐχ ἕξει τί λέγῃ, ἀλλὰ τὴν ἄλλως ἐνταῦθ᾽ ἐπαρεῖ τὴν φωνὴν καὶ πεφωνασκηκὼς ἔσται.
のような表現があり、恐らくはことわざか、よく使われた慣用表現であったと思われる。
メモ
καλόνをここでは名詞として扱い、述語としている。 形容詞を名詞として読むことは、古典ギリシア語ではよくあるように思う。
中性の形容詞を副詞的に読むことも少なからずあり、καλόνを省略されているἐστι(ν)にかかる副詞として読んでも、同じような意味になるように思う。
脚注の意図通りに読むならば、「εἰρήνηはκαλόνである」、と読むことになる。 語順を重視して文頭の語を強調するなら、καλόνなのだεἰρήνηというものは、くらいの意味になりうる。 文法的には、καλόνなのはεἰρήνηである、とκαλόνを主語のようにしても読めるように思う。 但し文脈がわからないので、脚注の意図を汲んで訳すのが無難ではある。