練習 17.5
課題文
αἱ τάλαιναι μητέρες μενοῦσιν ἐν ταῖς ταχείαις ναυσίν.
語彙
文中の語 | 見出語形 | 品詞 | 変化形 | 主な意味 |
αἱ | ὁ | 定冠詞 | 女性/複数/主格 | μητέρεςにかかる |
τάλαιναι | τάλας | 形容詞 | 女性/複数/主格 | 哀れな |
μητέρες | μητήρ | 女性名詞 | 複数/主格 | 母 |
μενοῦσιν | μένω | 動詞 | 三人称/複数/未来/直説法/能動態 | 待つ, 留まる |
ἐν | ἐν | 前置詞 | この語は変化しない | (与格の)中に, で |
ταῖς | ὁ | 定冠詞 | 女性/複数/与格 | ναυσίνにかかる |
ταχείαις | ταχύς | 形容詞 | 女性/複数/与格 | 速い |
ναυσίν | ναῦς | 女性名詞 | 複数/与格 | 船 |
脚注
特になし。
出典と翻訳
不明。
メモ
本課の学習要目は不規則変化形容詞。 形容詞τάλαςが練習17.3に出てきたμέλαςと同様の変化をすることから、τάλαιναιの形を正しく把握することが、本課題文の主旨と思われる。
動詞がμένουσιν(三人称/複数/現在/直説法/能動態)ではなくμενοῦσινになっていることに注意が必要。 μένωがμενοῦσινという形になるということは
- μένωは鼻音幹動詞なので、未来の時称接尾辞は-σ-ではなくて-εσ-(P.58, §81.)となるので、本来の形はμενέσουσιν
- 母音に挟まれた時称接尾辞の一部であるσが脱落
- 隣接する母音が融合して、μενέουσινがμενοῦσινになる
したがってμενοῦσινは未来として読まなくてはならない。
まとめると、「τάλαςなμητήρたちは、ταχύςなναῦς(複数)の中で(ἐν) μένωすることになるだろう(直説法/未来)」くらいの内容が、本課題文の文意と思われる。