ギリシア語の参考文献

初級文法

田中美知太郎 松平千秋 共著, 『ギリシア語入門』, 岩波書店

古典ギリシア語の初級文法書としては、もっとも手に入りやすいものの一つ。 記述がコンパクトにまとまっているのは、とてもありがたい。 反面、練習問題に回答がついておらず、短い文章がほとんどなので、実際の読解にあたると面食らってしまうかもしれない。

横浜古典学舎の指定テキスト

水谷智洋, 『古典ギリシア語初歩』, 岩波書店

明治学院大学言語文化研究所が公開講座として行っているギリシア語初級文法の指定テキスト。

練習問題には、やはり回答がついていない。 そして、初級文法書のトピックを超えているのでは?と思われるような問題も。 たとえば練習22.10で引用されているピンダロスの『ピューティア祝旋歌』など。 冒頭のἐπάμεροιを主格で捉えるか、呼格で捉えるかは悩むところ。 西洋古典叢書の訳本では呼格として解釈しているけれども。

出典があるものは明記してある(ただし、初級文法の範囲におさまるように若干書き直されているときがある)ので、その前後の文脈を確認することで、すでにある翻訳などを確認することで、文章への理解を深めるにはいいと思う。

詳細な文法書

H. W. Smyth, Greek Grammar

形態論に関する詳細な議論、文論などを網羅した、頼れる一冊。 Indexに項目を多く挙げているおかげで、検索性はとてもいい。

安いからといって、Amazonのペーパーバック版を選んでは『いけません』。 版の古い、ページが汚損した本をスキャンしたものが届きます。

マルティン・チエシュコ, 『古典ギリシア語文典』, 白水社

日本語で書かれた詳細な文法書。 形態論に関しては多くのページが割かれていてわかりやすい。 反面、文論の方がSmythに比べると若干弱いような印象を受ける。

詳細な目次があるものの、索引はかなりアッサリしている。 必要な情報を素早く見つけるには、それなりの慣れとコツが必要。

参考文献の情報が詳しく、とても参考になる。

高津春繁, 『ギリシア語文法』(岩波書店)

辞書

文法事項など

中島平三 瀬田幸人 監訳, 『オックスフォード言語学辞典』, 朝倉書店


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