ムーサ
Μοῦσα
(羅)Musa
(英, 独, 仏)Muse

複数形はムーサイ(Μοῦσαι=Musai)。

ゼウスと記憶女神ムネーモシュネーとの間に生まれた女神たち。 元々は詩、音楽、舞踏の女神たちであったが、後に知性的な生産物一般の女神となったらしい。

ヘーシオドスによれば、 ゼウスムネーモシュネーと9夜の間交わって9人の女神が生まれた( 神統記 53-62行 )という。 この時点では女神たちの名前は出てくるが、彼女たちがどのような権能を有するかまでは言及がない。 ヘーシオドス神統記の冒頭で彼に詩人としてのインスピレーションを与えたのは、他ならぬこの女神たちであるとしている。

ヘリコーン山の」とも「オリュンポスの」とも呼びかけられる彼女たちは学芸の神であり、英語"music"の語源となっている。 彼女たち9人の名前はヘーシオドスによればクレイオーエウテルペータレイアメルポメネーテルプシコラーエラトーポリュムニアー(またはポリュヒュムニア)、ウーラニアーカリオペー(神統記 77-79行)である。

一方で、パウサニアースなどは3人のムーサに対する信仰があったと伝えている。(ギリシア案内記 6.29.2) 彼によると、3柱のムーサたちの名前はアオイデー(歌唱)、メレテー(学習)、ムネーメー(習得)であるという。


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