パーシテアー
Πασιθέα
Pasithea

概要

カリスたちの一柱(ホメーロス, 「イーリアス」, 14巻269行)。 イーリアスに出てくる呼称パーシテエー(Πασιθέη, Pasithee)はイオーニア方言。

アグライアーに同じ(高津春繁,「ギリシア・ローマ神話辞典」, 岩波書店による。要、出典確認)。

出自

父親はディオニューソス(ノンノス,「ディオニューソス譚」,第15巻87-91行)。 母親はヘーラー(ノンノス, 「ディオニューソス譚」, 31巻184-186行

ただし、一般的には< href="charis.htm">カリスたちの父親はゼウス、母親はエウリュノメー(たとえば、ヘーシオドス, 「神統記」, 907-909行)とされている。 この名前が出てくるホメーロスイーリアスには、出自に関する記述がない。 ヘーシオドスやアポロドーロスのリストには、この名前がない。

カリスたちの父親としてディオニューソスを挙げているのは、ノンノスくらいである。

神話

眠りの神ヒュプノスに、ゼウスに眠りをもたらすように懇願したヘーラー女神が、報酬として神と娶せることを約束したカリスの一柱(ホメーロス, イーリアス, 14巻264-270行)。 この申し出により、神は喜んで女神の願いを聞き入れた(同271-276行)。

ノンノスの「ディオニューソス譚」では、ヘーラーヒュプノスに直接会うことなく、イーリスを通して指示している。 イーリスヒュプノスの母であるニュクスに姿を変えて、自分がいかにゼウスの横暴に耐えているかを訴え、ヒュプノスが心を寄せているパーシテアーの母であるヘーラーの機嫌を損ねるようなことをしてはいけないと言って、ゼウスに眠りをもたらすように告げている。
(ノンノス, 「ディオニューソス譚」, 31巻103-190行)

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パーシテアー (カリスの一柱)
パーシテアー (ネーレーイスの一柱)

改訂履歴