練習 9.5
課題文
οἱ Ἕλληνες ἔφυγον ἐκ τῆς Ἑλλάδος ἐν τῷ χειμῶνι.
語彙
文中の語 | 見出語形 | 品詞 | 変化形 | 主な意味 |
οἱ | ὁ | 定冠詞 | 男性/複数/主格 | Ἕλληνεςにかかる |
Ἕλληνες | Ἕλλην | 男性名詞 | 複数/主格 | ギリシア人 |
ἔφυγον | φεύγω | 動詞 | 三人称/複数/アオリスト/直説法/能動態 | 逃げる |
ἐκ | ἐκ | 前置詞 | この語は変化しない | (属格の中)から |
τῆς | ὁ | 定冠詞 | 女性/単数/属格 | にかかる |
Ἑλλάδος | Ἑλλάς | 女性名詞 | 単数/属格 | ギリシア |
ἐν | ἐν | 前置詞 | この語は変化しない | (与格の)中で |
τῷ | ὁ | 定冠詞 | 男性/単数/与格 | χειμῶνιにかかる |
χειμῶνι | χειμών | 男性名詞 | 単数/与格 | 冬, 嵐 |
脚注
特になし。
出典と翻訳
不明。
メモ
ギリシア人を意味するἝλληνと、ギリシアを意味するἙλλάς、冬や嵐を意味する男性名詞χειμώνが子音幹の第三変化名詞である、と把握できることが、この課題文の主旨と思われる。 ἙλλάςはP. 35, §57.のἀσπίςと同様の、ἝλληνとχειμώνはP. 35, §57.(続き)のδαίμωνと同様の変化をする。
ἐν(与格支配)は時間的なduring the timeの意味があるので、ここではそのように捉えることにする。他にもある状態や状況(of state, condition or position)での意味もあるので、文脈がわからないと訳文がうまく決められない憾みがある。
まとめると、「Ἕλληνたちはχειμώνの間(ἐν+与格)はἙλλάςから(ἐκ+属格)φεύγωした」、くらいの内容が文意と思われる。
ギリシアというと青い晴れ空と青い海をイメージしがちだが、冬は南から湿った空気が流入する雨期。 今回の課題文が、そういった自然のことを言っているのか、何か歴史的なトピックのことを言っているのかは、出典がなく文脈がわからないで不明。
何か歴史的なトピックであるならば、「Ἕλληνたちはχειμώνの中を(ἐν+与格)Ἑλλάςから(ἐκ+属格)φεύγωした」、くらいの意味になることもあるのかな、と思われる。