練習 9.6
課題文
τοὺς μὲν χρήματα πείθει, τοὺς δὲ λόγοι.
語彙
文中の語 | 見出語形 | 品詞 | 変化形 | 主な意味 |
τούς | ὁ | 定冠詞 | 男性/複数/対格 | メモ参照 |
μέν | μέν | 小辞 | この語は変化しない | (δέと対応して)一方で |
χρήματα | χρῆμα | 中性名詞 | 複数/主格 | もの, 事物, (複数)金銭 |
πείθει | πείθω | 動詞 | 三人称/単数/現在/直説法/能動態 | 説得する |
τούς | ὁ | 定冠詞 | 男性/複数/対格 | メモ参照 |
δέ | δέ | 小辞 | この語は変化しない | (μένと対応して)他方では |
λόγοι | λόγος | 男性名詞 | 複数/主格 | 言葉 |
脚注
特になし。
出典と翻訳
不明。
メモ
定冠詞に対応する語が見当たらない。 つまりここでは、指示代名詞的に男性名詞で表されるある集団を、くらいのニュアンスと思われる。 χρῆμαやλόγοςがπείθωする対象(対格=動詞の直接目的語)になっているので、それはたぶん人であろうから、「ある人々を」を意味すると思われる。
定冠詞を指示代名詞的に使うのは、ホメーロスなどではよく見られる用法。 とはいえ、ホメーロスなどでは見かけ上は定冠詞に見えるものが、実は別の語であることが少なくないのも事実。
テキスト的にはχρῆμαが第三変化名詞であると把握して読めればよいのであろう。
定冠詞τούςとμὲν…δὲ…の対応さえ判ればさほど難しいものではなく(気づけないと延々悩み続けることになる)、「一方の(μέν)人々(τούς)をχρήματαがπείθωし、他方の(δέ)人々を(τούς)λόγοςが(πείθωしている)」くらいの内容が文意と思われる。