練習 10.8
課題文
ἐν τῇ Μαραθῶνι μάχῃ ὀλίγοι μὲν ἦσαν οἱ πατέρες ὑμῶν, ἀνδρεῖοι δέ.
語彙
文中の語 | 見出語形 | 品詞 | 変化形 | 主な意味 |
ἐν | ἐν | 前置詞 | この語は変化しない | (与格の)中で |
τῇ | ὁ | 定冠詞 | 女性/単数/与格 | μάχῃにかかる |
Μαραθῶνι | Μαραθῶν | 男性名詞 | 単数/与格 | マラトーン(地名) |
μάχῃ | μάχη | 女性名詞 | 単数/与格 | 戦い |
ὀλίγοι | ὀλίγος | 形容詞 | 男性/複数/主格 | 少ない |
μέν | μέν | 小辞 | この語は変化しない | 一方では |
ἦσαν | εἰμί | 動詞 | 三人称/複数/未完了/直説法/能動態 | ~である |
οἱ | ὁ | 定冠詞 | 男性/複数/主格 | πατέρεςにかかる |
πατέρες | πατήρ | 男性名詞 | 複数/主格 | 父 |
ὑμῶν | σύ | 人称代名詞 | 男性(女性同形)/複数/属格 | あなた |
ἀνδεῖοι | ἀνδρεῖος | 形容詞 | 男性/複数/主格 | 勇敢な |
δέ | δέ | 小辞 | この語は変化しない | 他方では |
脚注
Μαραθ῀ενι : 場所の与格。ἐν Μαραθῶνιの表現もある。
ὑμῶν : 「君たちの」(P. 59, §83. 参照)
出典と翻訳
不明。
メモ
πατέρεςが本課の学習課題である-ρ語幹の第三変化名詞。 P. 39, §59. の一番左に、その変化表がある。
Μαραθῶνは男性名詞なので、定冠詞τῇはμάχῃにかかっている。 前置詞ἐνが要求している与格は、直後のτῇとそれがかかるμάχῃなので、脚注も一緒に考え併せると「Μαρατῶνにおけるμάχηの中で」くらいの意味になると思われる。
ὀλίγοιと性/数/格が一致しているのはπατέρες。 これがἦσανで「A=B」の関係を表しているが、このとき定冠詞οἱがついているπατέρεςの方が主語。 主語となるπατέρεςにはそれがどんなものであるかを表すὑμῶνがついている。
文の中にμὲν…δὲ…の対応があり、コンマでその対照の区分が表現されている。 コンマ以降の後半の主語は、省略されているが前半と同じπατέρες。 動詞も前半と同じἦσανが省略されている、と考える。
これらを考え併せると、「Μαραθῶνにおけるμάχηの中で、σύたちのπατήρたちはὀλίγοςであった(ἦσαν)が(μέν)、その一方で(δέ)ἀνδρεῖος(であった=ἦσαν)」くらいの内容が文意と思われる。