§192.
英語原文
The adverb ἄν (with the epic κέ, Doric κά) has two uses, which must distinguished.
1. In one use, it denotes that the action of the verb to which it is joined is dependent upon some condition, expressed or implied. This is its force with the secondary tenses of the indicative, and with the optative, infinitive, and participle : with these it belongs strictly to the verb, to which it gives a potential force, like our would.
2. In its other use, it is joined regularly to εἰ, if, to relative and temporal words, and sometimes to the final particles ὡς, ὅπως, and ὅφρα, when any of these are followed by the subjunctive. Here, although as an adverb it qualifies the verb, it is so closely connected with the relative or parcicle, that it often coalesces with it, forming ἐάν, ἤν, ἄν, ὅταν, ὁπόταν, ἐπειδάν, ἐπάν or ἐπήν (Ionic ἐπεάν).
These statements include only the constructions which are in good use in Attik Greek. For the epic use of κέ or ἄν with the subjunctive in a potential sense (as with the optative) see 201, 1 ; for κέ or ἄν with the future indicative see 196.
日本語解釈
副詞としての ἄν (この議論には叙事詩で使われる κέ や、そのドーリス方言形 κά も同様に含まれる)には、明確に区別しなくてはならない二つの用法がある。
1. 第一の用法は、組み合わされた動詞の動作が何らかの状況の影響下にあることを示し、それを暗にほのめかす、というものである。 このような組み合わせは、直説法における副時称や、希求法、不定詞、分詞などにみられる。 このような場合、動詞と強力に結び付けられて、英語表現におけるwouldのような可能性を持つ意味合いになる。
2. もう一つの用法は、普通は εἰ (英語の if に相当する語句)や関係詞、時称を示すような語、そして時には目的節を導く ὡς 、ὅπως 、ὅφρα などと組み合わされ、このとき接続法の動詞と組み合わされる。 このときの ἄν は副詞として動詞を修飾するものではあるが、関係詞や分詞と非常に密接に組み合わされる。 つまりこれらの語と組み合わされて ἐάν 、ἤν 、ἄν 、ὅταν 、ὁπόταν 、ἐπειδάν 、ἐπάν 、ἐπήν(イオーニア方言ではἐπεάν)といった語を形成する。
上記1. および2. の議論は、アッティカ方言の正書法に関するものである。 叙事詩における仮定を表わす接続法で κέ や ἄν の用法に関する議論は201, 1を、直説法未来とともに用いられる κέ および ἄν については196を参照のこと。
メモ
アッティカ方言の正書法に限定していうならば、ἄν が現れるときは
- 単体で動詞と組み合わされて、動作の可能性や仮定を示す
- 前文で接続法の動詞と組み合わされて使われ条件節を作るが、このとき他の語と合成されて形を変えることがある
ということらしい。