練習 4.10
課題文
ἐν τῇ τῶν πολιτῶν εὐσεβείᾳ καὶ ἐν τῇ τῶν στρατιωτῶν ἀνδρείᾳ καὶ ἐν τῇ τῶν δικαστῶν δικαιοσύνῃ ἡ τῆς πολιτείας ῥώμη ἐστίν.
語彙
文中の語 | 見出語形 | 品詞 | 変化形 | 主な意味 |
ἐν | ἐν | 前置詞(与格) | この語は変化しない | ~の中に |
τῇ | ὁ | 定冠詞 | 女性/単数/与格 | εὐσεβείᾳにかかる |
τῶν | ὁ | 定冠詞 | 男性/複数/属格 | πολιτῶνにかかる |
πολιτῶν | πολίτης | 男性名詞 | 複数/属格 | 市民 |
εὐσεβείᾳ | εὐσέβεια | 女性名詞 | 単数/与格 | 敬虔 |
καί | καί | 小辞 | この語は変化しない | そして |
ἐν | ἐν | 前置詞(与格) | この語は変化しない | ~の中に |
τῇ | ὁ | 定冠詞 | 女性/単数/与格 | ἀνδρείᾳにかかる |
τῶν | ὁ | 定冠詞 | 男性/複数/属格 | στρατιωτῶνにかかる |
στρατιωτῶν | στρατιώτης | 男性名詞 | 複数/属格 | 兵士 |
ἀνδρείᾳ | ἀνδρεία | 女性名詞 | 単数/与格 | 男らしさ, 勇気 |
καί | καί | 小辞 | この語は変化しない | そして |
ἐν | ἐν | 前置詞(与格) | この語は変化しない | ~の中に |
τῇ | ὁ | 定冠詞 | 女性/単数/与格 | δικαιοσύνῃにかかる |
τῶν | ὁ | 定冠詞 | 男性/複数/属格 | δικαξτῶνにかかる |
δικαστῶν | δικαστής | 定冠詞 | 男性/複数/属格 | 陪審員, 裁判官 |
δικαιοσύνῃ | δικαιοσύνη | 女性名詞 | 単数/与格 | 正義 |
ἡ | ὁ | 定冠詞 | 女性/単数/主格 | ῥώμηにかかる |
τῆς | ὁ | 定冠詞 | 女性/単数/属格 | πολιτείαςにかかる |
πολιτείας | πολιτεία | 女性名詞 | 単数/属格 | 国制, 国家 |
ῥώμη | ῥώμη | 女性名詞 | 単数/主格 | 力 |
ἐστίν | εἰμί | 動詞 | 三人称/単数/現在/直説法/能動態 | 存在する |
脚注
特になし。
出典と翻訳
不明。
メモ
「男性名詞/複数の女性名詞の中に」がκαίで繋がれて3回繰り返された後、ἡ τῆς πολιτείας ῥώμη ἐστίνと続いている。
まず考えるのは、ἐστίνの意味。 多くの場合、「~である」としていたが、今回の課題文にあてはめてみると「~に中にπολιτείαのῥώμηである」となり、文意が伝わらない。 それぞれのἐνで導かれる句をπολιτείαのῥώμηである、としたいときは…たとえば、それぞれのἐνで導かれる句に定冠詞(ῥώμηに合わせて、女性/単数/主格が適切であろうか?)が欲しいように思う。 なので、ここでは「~がある(存在する)」くらいの意味にとるのが、妥当だと思われる。
そうすると、(それぞれの)男性名詞/複数の女性名詞の中にῥώμηがある、というのが大まかな文意。 内容を考えると、(それぞれの)男性名詞/複数の女性名詞の中にこそ、と「こそ」を補った方が文意がはっきりするように感じている。
まとめると「πολίτηςたちのεὐσέβειαの中に、στρατιώτηςたちのἀνδρείαの中に、δικαστήςたちのδικαιοσύνηの中に(こそ)、πολιτείαのῥώμηがある」というのが文意と思われる
それでも、ἐστιが「存在する」のような意味で使われる場合、i) ἔστιのように語頭にアクセントがつき、ii) 文頭に来る、ということが多いのも事実で、やはり「~である」と解釈したいと考えるかもしれない。 そうした場合、「πολίτηςたちのεὐσέβειαの中、στρατιώτηςたちのἀνδρείαの中、δικαστήςたちのδικαιοσύνηの中(にあるものこそ)が、πολιτείαのῥώμηである」のように解するのがいいのかもしれない。