練習 12.7
課題文
μετὰ δὲ ταῦτα ἐκέλευσε αὐτὸς ὁ ποιητὴς τοὺς δούλους ἐκείνην τὴν λύραν φέρειν εἰς τὴν οἰκίαν αὐτῆς.
語彙
文中の語 | 見出語形 | 品詞 | 変化形 | 主な意味 |
μετά | μετά | 前置詞 | この語は変化しない | (対格の)後に |
δέ | δέ | 小辞 | この語は変化しない | |
ταῦτα | οὗτος | 指示代名詞 | 中性/複数/対格 | それ, その |
ἐκέλευσε | κελεύω | 動詞 | 三人称/単数/アオリスト/直説法/能動態 | 命じる |
αὐτός | αὐτός | 強意代名詞 | 男性/単数/主格 | 自身(P. 48, §. 67.1) |
ὁ | ὁ | 定冠詞 | 男性/単数/主格 | ποιητήςにかかる |
ποιητής | ποιητής | 男性名詞 | 単数/主格 | 詩人 |
τούς | ὁ | 定冠詞 | 男性/複数/対格 | δούλουςにかかる |
δούλους | δοῦλος | 男性名詞 | 複数/対格 | 奴隷 |
ἐκείνην | ἐκεῖνος | 指示代名詞 | 女性/単数/対格 | あの, あれ |
τήν | ὁ | 定冠詞 | 女性/単数/対格 | λύρανにかかる |
λύραν | λύρα | 女性名詞 | 単数/対格 | 竪琴 |
φέρειν | φέρω | 動詞 | 不定詞/現在/能動態 | 運ぶ |
εἰς | εἰς | 前置詞 | この語は変化しない | (対格の)中へ |
τήν | ὁ | 定冠詞 | 女性/単数/対格 | οἰκίανにかかる |
οἰκίαν | οἰκία | 女性名詞 | 単数/対格 | 家 |
αὐτῆς | αὐτός | 強意代名詞 | 女性/単数/属格 | 脚注参照 |
脚注
「彼の, 彼女の, …」の意味で用いられるαὐτοῦ, αὐτῆς, …は、εἰς τὴν οἰκίαν αὐτῆς「彼女の家へ」のように、述語的位置を、一方、ἐκείνου, τούτου, …等は、τὴν ἐκείνου στραιάν「彼の軍隊を」のように、限定的位置をとるのが普通。
出典と翻訳
不明。
メモ
強意代名詞αὐτόςの異なる使い方、指示代名詞ἐκεῖνοςおよびοὗτοςをきちんと把握することが、本課題文の主旨と思われる。
最初のαὐτόςはαὐτός ὁ ποιητὴςのように述語的位置で置かれ、主格でもあるので、ποιητής自身と読む(P. 48, §. 67.1)。 次のαὐτῆςは脚注にもあるように、「彼女の」という斜格用法。
δέは多くの場合μένと対になって、「一方では〇〇、他方では××」のように使われるが、ここでは対応するμένがない。 そのような場合、先行する文脈から少し視点が変わることを表すことが多いが、ここでは先行する文脈もない。 なので、あまり細かく訳出する必要はないと思われる。
まとめると、「さて(δέ)、そのようなことども(ταῦτα)の後に(μετά)、ποιητήςその人自身(αὐτός)がδοῦλοςたちにλύραを彼女の(αὐτῆς)οἰκίαの中へ(εἰς)φέρωするようにκελεύωした」くらいが本課題文の文意と思われる。