練習 12.9
課題文
τοῖς τῶν αὐτῶν γονέων παισὶ πολλάκις οὐχ οἱ αὐτοὶ τρόποι εἰσίν.
語彙
文中の語 | 見出語形 | 品詞 | 変化形 | 主な意味 |
τοῖς | ὁ | 定冠詞 | 男性/複数/与格 | παισίにかかる |
τῶν | ὁ | 定冠詞 | 男性/複数/属格 | γονέωνにかかる |
αὐτῶν | αὐτός | 強意代名詞 | 男性/複数/属格 | 同じ |
γονέων | γονεύς | 男性名詞 | 複数/属格 | 親 |
παισί | παῖς | 男性名詞 | 複数与格 | 子供 |
πολλάκις | πολλάκις | 副詞 | この語は変化しない | しばしば |
οὐχ | οὐ | 否定辞 | この語は変化しない | ~ない |
οἱ | ὁ | 定冠詞 | 男性/複数/主格 | τρόποιにかかる |
αὐτοί | αὐτός | 強意代名詞 | 男性/複数/主格 | 同じ |
τρόποι | τρόπος | 男性名詞 | 複数/主格 | 性質, 性格 |
εἰσίν | εἰμί | 動詞 | 三人称/複数/現在/直説法/能動態 | ある(存在する) |
脚注
特になし。
出典と翻訳
不明。
メモ
強意代名詞αὐτόςの形と用法を把握することが、本課題文の要旨と思われる。 αὐτῶνはτῶν γενέωνに対して、αὐτοίはοἱ τρόποιに対して、それぞれ限定的位置(P. 12, §. 21)を取っているので、ここでは「同じ」という意味に解する(P. 48, §. 67.2)。
παῖςは女性名詞として扱われることもあるが、ここでは定冠詞がτοῖςと男性形なので、男性名詞と判断している。 逆に定冠詞τῶνは男性, 女性, 中性で同形だが、名詞γονεύςが男性名詞なので、男性形と判断している。
αὐτῶνがτῶν γονέωνの限定的位置にあるので、「同じγονεύςたちの」と解する。 これらがτοῖς παισὶに対して限定的位置にあるので、「同じγονεύςたちのπαῖςたちにおいて」くらいに解する。 所有の与格(P. 33, §. 55)に解釈して、「同じγονεύςたちのπαῖςたちには」と解してもいいかもしれない。
数が2であっても対であることを強調していなければ複数で表すのが普通なので、同じγονεύςたち、などという回りくどい言い方ではなく「両親」としてもいいかもしれない。
まとめると、「同じ両親のπαῖςたちには、しばしば同じτρόποςがない」くらいが本課題文の内容と思われる。
文面としては、οἱ τρόποιに対応する主格の補語がなかったためにεἰσίνを「ある(存在する)」の方の訳語で考えたが、日本語としては「同じ両親のπαῖςたちのτρόποςは、しばしば同じではない」という表現の方が自然かもしれない。