練習 14.3

課題文

ὃν οἱ θεοὶ φιλοῦσιν ἀποθνῄσκει νέος.

語彙

文中の語 見出語形 品詞 変化形 主な意味
ὅν ὅς 関係代名詞 男性/単数/対格 ~するところの人
οἱ 定冠詞 男性/複数/主格 θεοίにかかる
θεοί θεός 男性名詞 複数/主格
φικοῦσιν φιλέω 動詞 三人称/複数/現在/直説法/能動態 愛する
ἀποθνῄσκει ἀποθνῄσκω 動詞 三人称/単数/現在/直説法/能動態 死ぬ
νέος νέος 形容詞 男性/単数/主格 若い

脚注

先行詞としてοὗτοςを補い、ὅν = οὗτος ὅνとして読む。

出典と翻訳

メナンドロス, 断片 125K。 これは『二度のだまし(ΔΙΣ ΕΞΑΠΑΤΩΝ)』の断片であろうとの由。

メモ

母音融合動詞の変化が本課の主題なので、φιλοῦσινがどのような変化形かを見極められることが本課題文の要旨と思われる。 P. 55, §79の変化表を見ればわかる通り、φιλοῦσινφιλέωの三人称/複数/現在/直説法/能動態。 語幹末尾の母音εがいろいろと複合された人称語尾の先頭母音ουと母音融合(ε+ου=ου, P. 54, §77.3参照)し、元のアクセント位置が前側にあるεにあるので、+ου=οῦのようになる。

関係代名詞ὅνによる関係節は、おそらくφιλοῦσινまで。 脚注の指示するように先行詞οὗτοςを補って考えると、οὗτοςと性/数/格が一致しているのはνέοςνέοςは形容詞であるが、ここでは「νέοςな状態であるときに」というように副詞的に読んだ方が意味が通りそうに思える。 動詞ἀποθνῄσκειが三人称/単数なので、この主語となるのはοὗτος=νέοςであろうと考えられる。

そう考えてみると、「οἱ θεοίφιλέωするような(対象の人である=ὅν)その人(οὗτος)は、νέος(な状態で)ἀποθνῄσκωする」くらいの内容が文意と思われる。


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