練習 14.5
課題文
τὴν Σικελίαν ταμεῖον τῆς Ῥώμης ἐκάκουν οἱ Ῥωμαῖοι.
語彙
文中の語 | 見出語形 | 品詞 | 変化形 | 主な意味 |
τήν | ὁ | 定冠詞 | 女性/単数/対格 | Σικελίανにかかる |
Σικελίαν | Σικελία | 女性名詞 | 単数/対格 | シケリアー(シチリア島) |
ταμεῖον | ταμεῖον | 中性名詞 | 単数/対格 | 蔵 |
τῆς | ὁ | 定冠詞 | 女性/単数/属格 | Ῥώμηςにかかる |
Ῥώμης | Ῥώμη | 女性名詞 | 単数/属格 | ローマ |
ἐκάλουν | καλέω | 動詞 | 三人称/複数/未完了/直説法/能動態 | 呼ぶ |
οἱ | ὁ | 定冠詞 | 男性/複数/主格 | Ῥωμαῖοιにかかる |
Ῥωμαῖοι | Ῥωμαῖος | 男性名詞 | 複数/主格 | ローマ人 |
脚注
特になし。
出典と翻訳
不明。
メモ
動詞ἐκάλουνの形を正しく把握することが、本課題文の主旨と思われる。 καλέωは語幹末尾の母音がεなので、P. 55, §79.にある変化表のうち、φιλέωの未完了過去を参考に考える。
これがどうして未完了だと思うかというと、語頭に加音と思われるἐがついているから。 その上で巻末の語彙集を確認すると、ἐκαλ-で始まる動詞がないことがわかる。 καλ-で始まる動詞は、καλέωのみが確認できる。
φιλέωの未完了を参考に見たとき、加音、語幹、語幹形成母音、人称語尾に色分けすると、本来はἐκάλεονであろうことがわかる。 ここから語幹末尾の母音εと語幹形成母音であるοが母音融合(P. 54, §77.2)してουになっていることがわかる。
動詞καλέωには「呼ぶ」という訳語がついているが、これは「何か/誰かを呼び出す」という意味だけでなく、「AをBと呼ぶ」の意味もある。 このとき、AもBも対格で表される。
これらのことを考え併せると、「ΣικελίαのことをῬώμηのταμιεῖονとῬωμαῖοςたちはκαλέωしていた」くらいの内容が本課題文の主旨と思われる。