練習 15.9
課題文
ἀποβαλεῖτε τὴν ἀρετὴν ἣν ἐλάβετε ἀπὸ τῶν πατέρων ὑμῶν;
語彙
文中の語 | 見出語形 | 品詞 | 変化形 | 主な意味 |
ἀποβαλεῖτε | ἀποβάλλω | 動詞 | 二人称/複数/未来/直説法/能動態 | 投げ捨てる |
τήν | ὁ | 定冠詞 | 女性/単数/対格 | ἀρετήνにかかる |
ἀρετήν | ἀρετή | 女性名詞 | 単数/対格 | 徳, 有気, 男らしさ |
ἥν | ὅς | 関係代名詞 | 女性/単数/対格 | ~するところのもの |
ἐλάβετε | λαμβάνω | 動詞 | 二人称/複数/アオリスト/直説法/能動態 | 取る, つかまえる |
ἀπό | ἀπό | 前置詞 | この語は変化しない | (属格)から |
τῶν | ὁ | 定冠詞 | 男性/複数/属格 | πατέρωνにかかる |
πατέρων | πατήρ | 男性名詞 | 複数/属格 | 父 |
ὑμῶν | σύ | 人称代名詞 | 男性(女性)/複数/属格 | あなた |
脚注
特になし。
出典と翻訳
不明。
メモ
人称代名詞ὑμῶνの形と意味を把握することと、動詞ἀποβαλεῖτεの形を把握することがが、本課題文の主旨と思われる。
動詞ἀποβάλλωの語幹はβαλλ、これが未来での語幹であればβαλになる。
つまり流音幹の動詞。
これに時称接尾辞であるεσがつくが、いろいろと融合した人称代名詞であるουσι(ν)が続くので、母音に挟まれたσが脱落し、更に時称接尾辞と人称語尾が融合している。
まとめると、ἀπο
文の基本的な構造は、「あなた方はἀρετήをἀποβάλλωするというのか??」というもの。 このἀρετήνを先行詞として、それがどのようなものであるのかを、関係代名詞ἥν以下で言い直している。
定冠詞τῶνはπατέρωνにかかる、と読む。 逆にὑμῶνにかかると読むと、ἀπόによる前置詞句は「πατήρたちのσύたちから(ἀπό)」となってしまう。 つまり、「あなたたちは、父たちの(子である)あなたたちからλαμβάνωしたところのἀρετήをἀποβάλλωするというのか??」では「自分たち自身からλαμβάνωしたἀρετήをἀποβάλλωωすること」になってしまい、文意が不明になる。
まとめると、「あなたがたは、σύたちのπατήρたちから(ἀπό) λαμβάνωしたところの(ἥν) ἀρετήをἀποβάλλωするというのか??」くらいの内容が本課題文の文意と思われる。