§2. 母音について
母音とされる文字
母音とされる文字は、α, ε, η, ι, ο, υ, ω の7文字である。
短母音と長母音
母音には短母音と長母音があり、母音または2重母音(複母音)の数だけ音節が作られる。 文法書や辞書などでは母音の長短を明示するために⏑(短音記号, ブレーヴェ, breve)や‒(長音記号, マクロン, macron)を母音の上に表記していることがある。 しかし、これは辞書や文法書でのことであり、実際のテキストには書かれていないのが普通である。
各母音の長短は以下のようになる。
母音 | 長短 |
α | 短母音(ᾰ)または長母音(ᾱ) |
ε | つねに短母音 |
η | つねに長母音 |
ι | 短母音(ῐ)または長母音(ῑ) |
ο | つねに短母音 |
υ | 短母音(ῠ)または長母音(ῡ) |
ω | つねに長母音 |
口の開き方から見る母音同士の関係
舌の位置が高くなっていと同時に口の開き方に従って、α → ι, α → ουの2系統の母音の発音の仕方が続くようになる。 これらとは別に、舌の位置が高く、口が閉じたときの音としてῠおよびῡがある。
以上を模式化すると、下記のようになる。
開 | ||||||||
ᾱ | ᾰ | |||||||
η | ω | |||||||
ε, ει | ο | |||||||
ῐ, ῑ | ῠ, ῡ | ου | ||||||
閉 |