§29.
動詞の変化形を構成する要素
- 動詞の変化形は大別して時称幹(tense stem)と人称語尾(personal endings)にわけられる
- 時称幹は以下のような要素から構成される
- 合成動詞であればその前綴り
- 加音(augument)
- 畳音(redupulication)
- 動詞幹(verb stem)
- 語根(root)
- 時称幹を作るために挿入される文字
- 時称接尾辞(tense suffix)
- 現在には特別な時称接尾辞がつかない
- 未完了過去には特別な時称接尾辞がつかない
- 能動態および中動態/未来の場合はσ
- 受動態/未来およびアオリストの場合はθまたはθη
- 能動態および中動態のアオリストではσα
ただしマルティン・チエシュコは時称接尾辞はσであり、αはアオリスト幹を作るために挿入された母音である、としている - 各種完了の場合はκα
- アオリストや各種完了では、時称接尾辞が現れない第二系の変化もある
- 語幹形成母音(thematic vowel)
- 基本的に直後の人称語尾がμおよびνで始まる場合はοをとり、その他の場合はεをとり、説明のためにο/εのように書くこともある
- 接続法の場合はω/ηをとる
- 希求法の場合は常にοをとる
- 法接尾辞(mood suffix)
- 直説法には特別な法接尾辞がつかない
- 接続法は特別な法接尾辞をとらないが、語幹形成母音が長音化されてω/ηとなり、常に本時称の人称語尾をとる
- 希求法ではιまたはιηを語幹形成母音οの直後にとり、常に副時称の人称語尾をとる
- 命令法では特別な法接尾辞をとらないが、命令法に独特の人称語尾をとる
- 人称語尾は以下のような要素から変化する
- 能動態か中受動態か
- 人称(person)
- 数(number)
- 本時称(primary tense)か副時称(secondary tense)か、または命令法(imperative)か