カナ表記 | ギリシア語表記 | アルファベット表記 | 出典 |
---|---|---|---|
ポリュイードス | Πολύϊδος | Polyidos | ホメーロス,「イーリアス」, 13.663 |
アポロドーロス | |||
パウサニアース | |||
ポリュエイドス | Πολύειδος | Polyeidos | ホメーロス,「イーリアス」, 5.148 |
父はコイラノス。 母は不詳。 (パウサニアース, 「ギリシア案内記」, 1.43.5 ; 「イーリアス」13.663への古注)
ディオニュシオンの入口のそばに、アステュクラテイアとマントの合葬墓。 二人は、メランプスの子アバスの子コイラノスの子ポリュイドスの娘である。 メランプスは、アルカトゥスがわが子カリポリスを殺した際に、メガラまで来て王のけがれを払ってやった。 ポリュイドスはディオニュソスのために神域を造営して木彫神像を奉納した。 像は今日では顔以外を包込み、顔だけ出している。 この像のそばに立つサテュロスはプラクシテレス作で、パロス産大理石造り。 ディオニュソス像には「父祖伝来の神」という異名がある。 もう一体は「ぶどうの葉茂らすディオニュソス」で、ポリュイドスの子コイラノスの子エウケノルの奉納像だ、という。
(飯尾都人 訳)
ἦν δέ τις Εὐχήνωρ Πολυΐδου μάντιος υἱὸς
ἀφνειός τ᾽ ἀγαθός τε Κορινθόθι οἰκία ναίων,
ὅς ῥ᾽ εὖ εἰδὼς κῆρ᾽ ὀλοὴν ἐπὶ νηὸς ἔβαινε:
πολλάκι γάρ οἱ ἔειπε γέρων ἀγαθὸς Πολύϊδος
‘νούσῳ ὑπ᾽ ἀργαλέῃ φθίσθαι οἷς ἐν μεγάροισιν,
ἢ μετ᾽ Ἀχαιῶν νηυσὶν ὑπὸ Τρώεσσι δαμῆναι:
τώ ῥ᾽ ἅμα τ᾽ ἀργαλέην θωὴν ἀλέεινεν Ἀχαιῶν
νοῦσόν τε στυγερήν, ἵνα μὴ πάθοι ἄλγεα θυμῷ.
τὸν βάλ᾽ ὑπὸ γναθμοῖο. καὶ οὔατος: ὦκα δὲ θυμὸς
ᾤχετ᾽ ἀπὸ μελέων, στυγερὸς δ᾽ ἄρα μιν σκότος εἷλεν.
さてここに、エウケーノールという者がいた。 占い師ポリュエイドスの息子で、金持ちでまた勇敢で、コリントスの町に住まいしていたが、呪わしい身の運命をよく知りながら、船へ乗って出かけて来た。 というのは、いくどとなく彼に向かって、心得ぶかいポリュエイドス老人が予言をして、おまえは苦しい病いにかかって、自分の家で身を果たすか、さもなくばアカイア軍の船のあいだで、トロイア人の手にかかって討たれよう、といった。 それで、アカイア軍に取り立てられる従軍免除の献金のつらさと、苦しい病いの両方を、心にいろんな苦しみを受けないために、避けようとはかったのであった。 いま、その人の顎と耳との下のところへ矢が当たったので、命はたちまちその五体から去ってゆき、いまわしい暗闇が彼をとらえた。
(呉 茂一 訳)
ἧν δέ τις Εὐχήνωρ Πολυίδου] Φερεκύδης οὕτω γενεαλογεῖ· "ἀπὸ Μελάμποδος Μαντίον, οὗ Κλειτόν, οὗ Κοίρανον, οὗ Πολύιδον·" εἷτα "Πολύιδος" φησί "γαμεῖ Εὐρυδάμειαν τὴν Φυλέως τοῦ Αὐγέου· τῷ δὲ γίνεται Εὐχήνωρ καὶ Κλειτός, οἵ Θήβας εἷλον σὺν τοῖς Ἐπιγόνιος· ἔπειτα ἐς Τροίην ἔρχονται σὺν Ἀγαμέμνονι· καὶ θνήσκει Εὐχήνωρ ὑπὸ Ἀλεξανδρου."
さてここに、ポリュイードスの子エウケーノールがいた : ペレキューデースがこの人の系譜について(次のように)述べている。メラムプースの子マンティオス、その(マンティオスの)子であるクレイトス、その(クレイトスの)子コイラノス、その(コイラノスの)子ポリュイードス。次にポリュイードスについて、次のように述べている。アウゲアースの子ピューレウスの娘エウリュダーメイアを娶り、エウケーノールとクレイトスを生んだ。 彼ら(エウケーノールとクレイトス)はテーバイに向かうエピゴノイに参加した。 その後、彼らはアガメムノーンを助けてトロイアへ従軍した。 そしてエウケーノールはアレクサンドロス(パリス)に殺された。(2017.6.18. 仮訳)
ポリュイードスまたはポリュエイドス (コイラノスの子) |
ポリュイードスまたはポリュエイドス (トロイアのエウリュダマースの子) |