練習 4.5
課題文
αἰσχρὰ ἡ ἐπιθυμία τῶν ἡδονῶν.
語彙
文中の語 | 見出語形 | 品詞 | 変化形 | 主な意味 |
αἰσχρὰ | αἰσχρός | 形容詞 | 女性/単数/主格 | 恥ずべき |
ἡ | ὁ | 定冠詞 | 女性/単数/主格 | ἐπιθυμίαにかかる |
ἐπιθυμία | ἐπιθυμία | 女性名詞 | 単数/主格 | 欲望 |
τῶν | ὁ | 定冠詞 | 女性/複数/属格 | ἡδονῶνにかかる |
ἡδονῶν | ἡδονή | 女性名詞 | 複数/属格 | 快楽 |
脚注
特になし
出典と翻訳
不明。
古典からの出典ではないが、Frederick Williams, Elementary Classical Greekの中で、"objective genitive"("目的格的な≒対格的な"属格)の例文として出て来る。
メモ
ἐπιθυμίαはαἰσχρόςである、というのが基本構造。 そこへτῶν ἡδονῶνという語がかかる。 定冠詞τῶνは男性, 女性, 中性で同じだが、複数/属格がἡδονῶνしかないので、女性と判断。 まとめると、「ἡδονή(複数)へのἐπιθυμίαはαἰσχρός(なἐπιθυμία)である」、というのが文意。
このτοῦ ἡδονῶνという属格は、対格的なニュアンスを持っているように思える。 日本語でも「ある人(仮にA)の評価」といった場合、i)Aという人に対する評価(対格的)と、ii)Aという人が下した評価(属格的)な場合があり、一般的には属格的な役割をすることが多い「の」の役割にも、対格的な面がある。
αἰσχράの語尾が長音記号のついた-ᾱであることに注意。 中性/複数ならば短い-ᾰになるハズなので、このαἰσχράは女性/単数/主格でἐπιθυμίαと性/数/格が一致し、述語的位置をとっているであろうことがわかる。