練習 5.5
課題文
πόνος πόνῳ πόνον φέρει.
語彙
文中の語 | 見出語形 | 品詞 | 変化形 | 主な意味 |
πόνος | πόνος | 男性名詞 | 単数/主格 | 苦労 |
πόνῳ | πόνος | 男性名詞 | 単数/与格 | 苦労 |
πόνον | πόνος | 男性名詞 | 単数/対格 | 苦労 |
φέρει | φέρω | 動詞 | 三人称/単数/現在/直説法/能動態 | 運ぶ |
脚注
特になし。
出典と翻訳
Σοφοκλῆς, アイアース, 866行目。
メモ
人称語尾が-ειなので、三人称/単数。 時称接尾辞であるσが見当たらないので、時称は現在。 ここでの「現在」という時称には、「今現在、繰り返し、繰り返し、行われている」というニュアンスがあるのかもしれない。
直訳すると、πόνοςがπόνοςにπόνοςをφέρωしてくる、くらいの内容が文意。 πόνοςという男性名詞を、主語(主格)にも、間接目的語(与格)にも、直接目的語(対格)にも使いたくなるような心情はどのようなものか、を想像しながら読むのがよいと思う。 手許にある訳本には
苦労しても苦労しても苦労は終わらぬ。
(藤沢令夫 訳)
とある。 なぜそういうセリフが出てくるのか、は是非(翻訳でもいいから)元の悲劇を読んでいただきたい。