練習 13.9
課題文
χρησμὸς Ἀπόλλωνος ἦν ἐν Δελφοῖς· σοφὸς Σοφοκλῆς, σφώτερος δ᾿ Εὐριπίδης, ἀνδρῶν δὲ πάντων Σωκράτης σοφέτατος.
語彙
文中の語 | 見出語形 | 品詞 | 変化形 | 主な意味 |
χρεησμός | χρησμός | 男性名詞 | 単数/主格 | 神託 |
Ἀπόλλωνος | Ἀπόλλων | 男性名詞 | 単数/属格 | アポローン(神名) |
ἦν | εἰμί | 動詞 | 三人称/単数/未完了/直説法/能動態 | 在る |
ἐν | ἐν | 前置詞 | この語は変化しない | (与格)の中に |
Δελφοῖς | Δελφοῖ | 男性名詞 | 複数/与格 | デルポイ(地名) |
σοφός | σοφός | 形容詞 | 男性/単数/主格 | 賢い |
Σοφοκλῆς | Σοφοκλῆς | 男性名詞 | 単数/主格 | ソポクレース(人名) |
σοφώτερος | σοφός | 形容詞 | 男性/単数/主格 | よりσοφόςな(比較級) |
Εὐριπίδης | Εὐριπίδης | 男性名詞 | 単数/主格 | エウリーピデース(人名) |
ἀνδρῶν | ἀνήρ | 男性名詞 | 複数/属格 | 男, 人間 |
δέ | δέ | 小辞 | この語は変化しない | さらに, しかし, そして |
πάντων | πᾶς | 形容詞 | 男性/複数/属格 | すべての |
Σωκράτης | Σωκράτης | 男性名詞 | 単数/主格 | ソークラテース(人名) |
σοφώτατος | σοφός | 形容詞 | 男性/単数/主格 | 最もσοφόςな(最上級) |
脚注
πάντων : πᾶς「すべての」の男性/複数/属格形(P.63, §86参照)
出典と翻訳
不明。
メモ
σοφός, σοφώτερος, σοφώτατοςが形容詞の原級, 比較級, 最上級で、これが本課の学習内容。 コンマの区切りの中は、それぞれにἐστί(ν)(εἰμίの三人称/単数/現在/直説法/能動態)が省略されたcopula文として読む。
πάντωνは中性でも同形だが、ここではを修飾しているので男性。 属格は「すべてのἀνήρたちの中で」のように部分属格で読むと文意が通ると思われる。
ἐν Δελφοῖςは「Δειλφοῖ(という都市の領域)の中で」ということなので、日本語にするときは、前置詞ἐνをバカ正直に訳出せずに、「Δελφοῖで」くらいでいいのかもしれない。
まとめると、「Δελφοῖで(ἐν)、Ἀπόλλωνのχρησμόςがあった(ἦν)。Σοφοκλῆςはσοφόςである、Εὐριπίδηςはもっとσοφόςである、だがすべての(πάντων)ἀνήρたちの中で、Σωκράτηςが最もσοφόςである」くらいの内容が、本課題文の文意と思われる。